神様や仏様に結婚を誓う式とは違い、ゲスト全員に結婚の証人となってもらうのが「人前式」。従来のような格式ばった式ではなく、会場も式の演出も自由にアレンジしやすいことから人気が高まっています。今回は、人前式だからできる感動の演出アイデアを紹介します。

そもそも人前式とは？

人前式とは、神仏に対して結婚の誓いを行う代わりに、出席しているゲスト全員に結婚の証人となってもらう式のことを言います。例えば、キリスト教式であれば教会で行うなど、宗教によって結婚式の会場も限定されますが、人前式であれば宗教や格式にとらわれることなく、式場や進行のやり方も自由に行えるのが特徴です。ゲストには結婚の証人になってもらうため、出席者との一体感を味わえてアットホームな雰囲気になりやすいことから、年々人気が高まっています。また、ゲストも一緒に参加できる演出法も多く、主役の新郎新婦だけでなくゲスト全員が楽しめる結婚式だと言えるでしょう。さらに、教会式の結婚式では牧師様や聖歌隊などが欠かせませんが、人前式ならその必要もなく、その分の費用を抑えやすいというメリットもあります。

人前式の基本の流れ

では、人前式の場合どんな流れで行われるのでしょうか。ここでは基本の式の進行について紹介します。所要時間は30分が目安です。

1. 入場

   ゲストが着席し、時間になったら新郎新婦が二人揃って入場します。

2. 開式宣言

   司会者が開式を宣言し、ゲストが二人の結婚の証人となることを説明します。年配者の中には人前式になじみのない人もいるかもしれないため、結婚式の証人がゲストであることを人前式のスタイルだと説明します。

3. 誓いの言葉

   ゲストの前で、新郎新婦が結婚に対する誓いの言葉を発表します。二人の個性が出せる言葉ですから、新郎新婦はどんな誓いの言葉を述べるのかをあらかじめ考えておかなければいけません。

4. 指輪交換

   結婚の誓約として、新郎新婦が指輪の交換を行います。先に新郎、次に新婦の順に、相手の薬指に指輪をはめます。

5. 結婚誓約書のサイン

   結婚証明書または婚姻届に、新郎新婦とゲスト代表が署名と捺印を行います。

6. 成立宣言

   署名と捺印された結婚証明書または婚姻届を司会者がゲストに見せて、二人の結婚を宣言します。

7. 閉式

   司会者がゲストへ結婚立ちあいのお礼を述べ、閉式します。閉会後は、フラワーシャワーやライスシャワーなどを行っても良いでしょう。

人前式で人気の演出法

自由度の高い人前式ですが、新郎新婦二人のオリジナリティーをもっと活かし、ゲストにも一体感を感じて楽しんでもらえる方法がたくさんあります。式の進行やプログラムを自由にアレンジしやすい人前式ならではの人気の演出法を紹介します。

1. フラワーシャワーを行う

   教会式でも人気のフラワーシャワーは、人前式でも「やりたい」というカップルが多い演出法のひとつです。新郎新婦が退場する際、出席者が二人に花びらをまいて祝福します。華やかな雰囲気にあふれ、新郎新婦もゲストも幸せをたくさん感じられる瞬間でしょう。

2. 誓いの言葉は自分たちらしく

   教会式や神前式では誓いの言葉は決まっているもの。しかし、人前式には決まった誓いの言葉はありません。新郎新婦二人でアイデアを練って、自分たちの思いをこめた言葉を用意して発表します。

3. 立会人を家族や友人にお願いする

   教会式では牧師様、神前式では神主様が式の進行を行います。人前式の進行を行うのが「立会人」または「代表」と呼ばれる人です。人前式では、立会人を親や親友などに依頼することができます。新郎新婦にとって信頼できる人に立会人になってもらえることは、良い結婚式の思い出となることでしょう。

4. ゲストと一緒に感動のリングリレー

   指輪交換の際、出席者全員が長い1本のリボンを持ち、そこに指輪を通して会場の後方から祭壇まで指輪を届けるのが「リングリレー」です。教会式でも行われることがある演出法ですが、会場の一体感が高まる演出アレンジです。

5. リングボーイ＆リングガールに結婚指輪を運んでもらう

   小さな子どもに「リングボーイ」、「リングガール」として、指輪交換の指輪を運んでもらう演出方法。親戚の子どもや親しい子どもがいる人たちに人気の演出で、キュートな子どもの登場に会場全体も和やかな雰囲気に包まれることでしょう。

まとめ

カジュアル＆アットホーム感で人気の人前式は、自分たちらしいオリジナルな演出ができるブライダルシーンのひとつ。幸せな一瞬をゲストと一緒に共有できるのが、人前式の魅力です。形式が決まっている結婚式とはひと味違うブライダルをしたいと考えているなら、オリジナリティーあふれる人前式の演出を計画してみるのもおすすめです。